2017.03.31

信濃町立野尻保育園 : 上倉 加奈さん

自然は遊びの素材がたくさんのすばらしい「環境」です

①お勤めの園の特長や魅力について教えてください。

長野県の北、北信五岳(斑尾山・妙高山・黒姫山・戸隠山・飯綱山)に囲まれた信濃町。信濃町の北側にある野尻保育園は、国立公園に指定されている野尻湖や畑、森等豊かな自然に囲まれています。四方に広がる山々を眺め、春には雪解けの合間からそびえ立つ山や山桜、夏には青々とした葉、秋には紅葉、冬には雪と四季折々の風景を感じられます。湖畔沿いの散歩では、湖面に光る太陽の美しさや心地よい波の音、森の中に入ると長いつる草を使っての土手のぼりや綱引き大会、草花での遊び等五感を使いながら過ごしています。

②通っている子ども達の特長や成長の様子について感じることを教えてください。

子ども自らが周りの自然に目を向け、山や木々の葉の色付きや雲の形等興味や関心を持ったことを友達や保育士に伝え、一緒に考え、試行錯誤を繰り返す中で発見や驚きを楽しんでいます。また、発見や驚きを友達に伝え共感しながら、遊びを深めたり展開したりしています。『自分が気付いたことを友達や保育士に伝える』、『自ら表現することの喜び』、『友達と同じ目的を持って遊ぶ』ということに成長を感じています。

③園の活動や子ども達の様子について、印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

普段から異年齢で過ごす時間が多く、関わりながら遊ぶ姿が見られます。年下の友達には優しく手を引き教えてあげたり、年上の友達に憧れ遊びの真似をしてみたりと異年齢ならではの関わりの中で遊びが広がっています。

 

◇野尻湖畔へお散歩

浅瀬に下りて水面に触れた時のこと

「あったかいね」

「おひさまが、あっためてるからかな?」

「おさかなさんのおふろだからだよ」

 

水面に太陽の光が反射した様子を見たときのこと

 

「きらきらしてる」

「ほうせきみたーい」

 

四季折々の変化に気が付いていました。

 

◇園庭での砂遊び

木の根っこを掘り当てたときのこと

 

「ナウマンゾウ博物館でみたかせきににてる!!」

「もっとほったら、いろいろでてくるのかな?」

「みんなー、てつだってよー」

次から次に見つかる化石に目を輝かせ、友だちに自分の考えを伝えたり友だちの考えを聞いたりしながら、一緒に楽しむ姿が見られました。

④「様々な体験活動を幼児期から積極的に取り入れる自然保育」についてどう思われますか。

多様に変化する自然の中で、遊びを作り出すことが出来る子ども達。たくさんの発見や体験を通して、自らイメージを持ち、考え、想像し、それを形にしていく姿を見ていると、たくましさや力強さを感じます。

また、そんな子ども達の姿から、自然の持つ力の大きさも実感しました。

これからも子ども達と一緒に、身体と心いっぱいに自然を感じていきたいと思います。

⑤今後、みなさんの園に入園される親子のみなさんへメッセージをお願いします。

春・・・野尻湖畔の散歩で湖の優しい光を感じ、園周辺や水戸口公園等の散策を通して地域を知ります。

夏・・・爽やかな風を感じながら、水遊びや泥んこ遊び。地域の方の獅子舞、合宿やカヌーを楽しむ方との交流もあります。

秋・・・鮮やかな色の山々。ツルの土手登りや綱引き、落ち葉や木の実のおみやげでたくさんの作品ができました。

冬・・・保育園が埋まってしまうくらいの雪!サラサラの新雪に飛び込んだり、雪山からの尻すべり。ダイナミックな雪遊びの毎日。

1年間を通して信濃町の野尻ならではの自然を知り楽しみながら、自ら考えてやってみようとする主体性や、友達と一緒に協力して遊びを進める協調性、失敗しても挑戦しようとする意欲を大切に、保育を進めたいと思います。

⑥最後に、今後自然保育に取り組もうと考えている保育者の方へメッセージをお願いします。

自然は遊びの素材がたくさんのすばらしい「環境」です。

子ども達の「やってみたい」「やってみたらこうなった」「今度はこうやってみよう」という繰り返しの毎日が大切であることを強く感じました。

今後も日々の保育の中で子ども達の興味や関心がどこにあるのかを感じたり、子ども達の思いに寄り添うことのできる保育が進められるよう、学んでいきたいと思います。