2017.03.29
信濃町立古間保育園 : 山﨑 千賀さん
古間保育園は、北信五岳の飯綱・戸隠・黒姫・妙高・斑尾の各山に囲まれた高原の町「信濃町」にあります。信濃町の東側にあり、畑や森に囲まれています。畑の近くを散歩し、野菜を植えてから収穫までの生長を見ることができたり、林の中を駆け回り全身を使って遊べたり、身近で四季折々の自然を五感で感じながら過ごせることは魅力のひとつではないかと思います。
また園庭には土手があり、春は緑が茂りたんぽぽなど春の花が咲き、バッタなどの生き物がいて、夏にはブルーシートを広げウォータースライダー、秋には段ボールで尻すべりや土手のぼり、冬にはそりすべりと傾斜を使って遊びを楽しんでいます。
自然の中で不思議に思ったことや興味・関心を持ったことを友達や保育士に伝え、一緒に考えたり、発見したりすることを楽しんでいます。また、発見したことを喜び共感したり認め合いながら、自ら遊びに取り入れたり遊びを発展させたりする姿が見られます。友だちや保育士へ思ったことを伝える、表現するということが育っているように感じています。
全学年で散歩に出掛ける機会が多いので、普段から年齢に関係なく関わって遊ぶ姿が見られます。年下の友だちに教えてあげたり優しくしてあげ、年上の友だちを見て真似をしたりして遊びの幅を広げています。
★森の中に入り、枝を集めてきて秘密基地作りをする。
子どもたちのそれぞれが役割を持って一つの物を作る姿が見られました。完成するとごっご遊びが始まり、小さいお友だちも仲間に入って遊びながら基地が増改築されたり役割が増えたりしていました。
★散歩中の子どもたちの会話
秋の田んぼのわらを見て
「こびとのお家だよ」
「こびとさ~ん」
「びっくりして逃げちゃうよ」
なくなると・・
「どこかへおひっこしかな?」
「ゆきふるからね・・・」
季節の変化にも目を向けていました。
★裏山から畑方面へ しみわたり をした時
「保育園より大きくなった」「屋根、雪すごいね」「つららおっきい」
「あっ、あしあと・・・ゆきおとこかなぁ」
「ちがうよ、ちがうよ、きつね? たぬき?」
いろんな気づきを自分の言葉で発信し、友だちと楽しんだり
喜び合う姿が見られました。
自然は当たり前のようにありますが、同じ場所でも季節や天候によってガラリと違う表情を見せます。いつも同じではないという面白さが子どもたちの興味関心になり、遊びにつながり無限に広がっていると思います。より身近なものに“たのしい”“うれしい”と感じ、子どもの主体性・自主性を伸ばす『環境』だと思います。
春から、桜の木の下で遊んだりおやつを食べたりしながらお花見を楽しみ、散歩では異年齢で手をつないで歩いたり遊んだり、地域の方と挨拶や言葉を交わし四季折々の景色を眺め、木の実や小枝を拾って来て思い思いの作品を作り、雪が降ると雪遊びを楽しむなど、信濃町ならではの四季を感じながら遊んでいます。身近な自然の中で伸び伸びとすごし、自然の中だからこそ味わえる、空間・遊び・興味・関心を子どもの気付きや思いを大切にしながら、一人ひとりの育ちを見守っていきたいと考えています。
新たなことを始めるのではなく、ふだんの生活のどこにでもあるような、窓から見える空や天気について子どもたちと話してもおもしろい発見がたくさんあると思います。
何気ない景色や日常でも、ふと足を止めてみることで見えてくるものはたくさんあるのではないでしょうか。