里山の中腹にある古い養蚕農家だった建物を拠点とし、安曇野に伝わってきた里山生活を日常的に行う。
山道を歩く。無農薬で米や野菜を作る。包丁で野菜を切り、焚き火で料理をする。お月見や十日夜など、昔から伝わる行事を行ったり、よもぎ餅や、七夕まんじゅう、おやき、かぼちゃ団子など伝統食を作る。
春夏秋冬、その季節ならではの生活を楽しむ。そのような環境構成の中で、子どもたちが主体的に活動する。
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2015年12月17日
1.活動の背景
ある日、山道を歩きながら子どもの1人が言った。「夜までくじら雲にいてみたい」他の子どもたちに話したところ、みんなくじら雲に泊まりたいと言う。そこで、別の日の夕方、年長児だけくじら雲の拠点に集まり、1泊2日のパジャマパーティーをすることにした。
2.活動の展開
[計画]
頃から何回も年長児だけで集まり、パジャマパーティーの計画について話し合いをした。どんな食事をどのように作るのか、夜、みんなでどんなことをしたいか。9名の子どもたち、みんなが納得するまで話し合いをした。
子どもたちは食事のメニューを決めるのに、アレルギーや好き嫌いも把握し、みんなが食べられる物、自分達で作れる物を選んで取り入れた。夜の探検と花火もやることにした。
[パジャマパーティータイムスケジュール]
※保護者向け通知から抜粋
9月26日(金)
16:00 集合
16:00~17:00 夕食準備
17:00~18:00 夕食
18:00~18:30 片付け
18:30~19:00
就寝準備、ナイトウォーク
19:30~20:00 お話、就寝
9月27日(土)
5:30~6:00 起床、洗顔
6:00~6:30 散歩
6:30~7:00 朝食準備
7:00~7:30 朝食
7:30~8:00 片付け
8:00~8:30 解散
持ち物・・・子どもさんと一緒に用意してください。
[集合]
待ちに待ったパジャマパーティー当日。里心がつかない内に保護者の方に帰ってもらうのと、明るい内に夕食準備を済ませ、夕闇を感じることができたらという思いから、16時というまだ明るい内に集合した。
[ナイトウォーク]
夕食を済ませ、すっかり夜になると、夜の探検、ナイトウォークに出かけた。
「おばけになる!」と言っていた子も、暗闇の中に立つと「やっぱり、やめる」という。「やっぱり、夜の探検やめればよかった」と言いながらも、手を強く握り合い、歩みを進めた。いつも歩いている山道、いつもは走り回っている山道であるが、闇に包まれ、子どもたちは怖れを感じ、友達や保育者との距離を縮めることで安心しようとしていた。
山にいる動物たちのようにライトを点けずに歩くこと、耳を済ませるためにきつねのように音をたてない歩き方“フォックスウォーク”で歩くこと、話したい時には小さな声で話すように伝え出発した。
星や月の光を見つけ、ほっとしたように嬉しそうに発見を言葉で伝える子どもたち。山の上から見る町の夜景もきらきらして見える。
途中でしゃがみ、どんな音がするか。無言で聴くことに集中した。どんな音が聞こえたか話してみる。虫の声、ふくろうの声、町の車の音など。そして、もう一度、無言で聴くことに集中した。鹿の鳴き声、どこから聞こえるか、聞えてくる方向に目を凝らした。
ある地点で、10m程をたった1人で歩く体験をした。◯◯ちゃんが怖がって泣き始めるとみんなが「◯◯ちゃんなら、できるよ」と励まし、頑張って歩くと「よく頑張ったね」「えらいじゃん」と褒めていた。ほんの10mだが、昼間とは違う緊張感で勇気を持って歩いた子どもたち。全員が歩き終わって一緒になると共に無事を喜び合い、互いの勇気を認め合う姿が見られた。
その場で闇の中では色がどのように見えるか、体験した。衣服の色は何色か問いかけてみた。口々に色を言う子どもたち。ライトを照らして衣服の色の確認。闇の中では違って見えることに気付いた。夜の木や木の葉も見上げてから、ライトを照らし、違いを感じた。
闇の中をドキドキしながら歩いてきた子どもたちはくじら雲の拠点に戻り、灯りを感じてほっとした様子。その後、花火を楽しんだ。
翌朝、目覚めた子どもたちは夜明けの空の色を見て、感動と同時にほっとした笑顔が見られた。明るくなって、昨晩と同じコースを歩いた。歩くスピードが昨晩より断然早かった。
いつもの風景が太陽の光の下と闇の中ではまるで違うもののように感じていた様子がうかがえた。夜空の月や星の美しさと同時に闇の怖さも感じた。それが人と人の距離を縮め、人と一緒にいる安心感と楽しさを感じさせてくれた。そして、闇を感じたからこそ、朝になり、太陽の光の存在を再認識したようだった。
この活動を通して寝食を共にした仲間同士のつながりも深まった。
家族から離れ、2~3年間共に過ごしてきた仲間と一緒に過ごす1泊2日。夕闇から闇、夜明けと空の移り変わりが子どもたちの心理にも影響していくことを感じた。仲間と一緒に過ごす安心感の中で、普段体験しない闇の世界を感じ、将来、人間の存在の小さいことと人間の存在の大きいことの両方を考えることにつながるのではないかと思った。
園の形態 | 特化型 |
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代表者氏名 | 代表 : 依田 敬子 |
運営法人 | 特定非営利活動法人 響育の山里 くじら雲 |
運営法人代表者名 | 依田 敬子 |
園の設立日 | 2006.9.1 |
認定日 | 2015.10.13 |
区分 | 認可外保育施設 |
住所 | 〒399-7104 安曇野市明科七貴6695-2 |
エリア | 中信 |
お問い合わせ先 | TEL : 0263-62-6337 FAX : 0263-62-6337 MAIL : baleia@mti.biglobe.ne.jp |
ホームページ | http://www7a.biglobe.ne.jp/~kujiragumo/ |
定員数 | 未満児 : 人 3歳児 : 6人 4歳児 : 7人 5歳児 : 7人 6歳(学童)以上 : 0人 |
基本開所曜日 | 月,火,水,木,金 |
基本開所時間 | 9時〜14時 |
延長保育の有無 | 要問合せ |
園児募集 | 要問合せ |
保育者募集 | 要問合せ |