2025年2月14日

テーマ：

植物・生物／人・地域／食／つくる

年　齢：

5歳児

ねらい：

野菜やお米の生長に関心を持ち、かかし作りを通して地域の方との関わりを経験したり、友達と試行錯誤しながら活動を進めたりする充実感を味わう。

昨年、鹿に野菜やお米を食べられてしまった事からどうしたらいいか考え始めました。「かかしを立てればいいかも」「でもどうやって作るのかな？」「おじいちゃんたちに聞けば知っているかも」と散歩に出掛けさっそく聞いてきました。

地域の方にかかしをたくさん作っている人を教えてもらい見に行くことになりました。「どんな材料で作ってありますか？」「どうやって作ったんですか？」聞きたいことを積極的に聞いていました。

「顔は本当の人みたい」「メガネもかけているよ」興味津々に見たり、触らせてもらったりしていました。

顔はマネキンで出来ていて、床屋さんならあるかもと教えてもらうと「保育園の近くの床屋さんに行ってみよう」と聞いてきました。いらなくなったマネキンをたくさんもらっていきました。

かかし作りが始まりました。かかしの絵を描いて「ここはリボンを付けたいな」「頭が重いからうまく付かないな」など試行錯誤しながらも作り上げました。

できたかかしをさっそく畑や田んぼに持っていきました。

なかなかうまく土に立てられず、「掘ればいいかも」「大きな石で囲めばいいかも」と工夫していました。

かかしのおかげもあり、さつまいも、大根、餅米がたくさん収穫できました。

「餅米ってどんな味」「食べてみたいね」「このまま食べられるのかな？」と話し合う中で「お米は精米してから炊くんだよ」と知っている子がお話ししてくれました。

「みんなで食べるためにはどれくらいの量がいるのかな」「給食先生に聞いてみよう」と教えてもらい、自分たちでお米を量って精米所に行くことになりました。

「お米の洗い方知っているよ」「自分たちでやってみたい」と協力してお米を食べる準備をしました。

「お米が甘いね」「おかずがなくても食べられるぐらいおいしいね」とたくさん食べていました。

さつまいもとかぼちゃは地域のお店の方にお願いをしてお菓子を作ってもらう事になりました。買い物をするお金を集めるために、役場などに出向き、大根や餅米を販売しました。

畑や田んぼの活動を通して、地域の方とたくさん交流をしたり、いろいろな事を教えてもらいました。野菜やお米の生長に興味を持ち、変化や発見を繰り返しながら収穫への期待を持って過ごしていました。収穫した食材への関心も広がり、食べる事への楽しみ、嬉しさ、そしてそこに関わってくれる地域の方に感謝の気持ちが育っています。

野菜やお米を育てていく中で、鹿だけでなく、天候、水、虫、様々な自然事象が関係している事に子どもたちは体験を通して気付いていきました。収穫までには水くれや草取りなどいろいろなお世話が必要だということがわかり、水くれをしないと枯れてしまう等、生長の変化の中で大切に育てる姿が見られました。

やってみたいことがあると、調べたり誰に聞けばわかるかなと話し合いを重ね、図書館に行って自分たちで調べたり、地域の人なら教えてくれるかもと積極的に話をするようになっています。

収穫の喜びを感じ、食べてみたいという思いから、食への関心が高まりました。重さや分量、手順や方法など体験を通して考えたり友達と相談したり、試したりしながら活動を進めている姿が見られています。

年中児から畑や田んぼでの活動が大好きで、土に触れたり、生き物を探したりする中で、野菜やお米の生長にも関心を持ち始めました。その中で疑問や気付きをしたり、様々な自然事象に興味、関心を広げています。

「困ったり、わからないことは地域の方に聞けば教えてくれるから聞きに行こう」といろいろな人の力を借りて、自分たちがやってみたいことに挑戦していました。思いを発信していく力や、いろいろな方と関われる力が育ち、その中で感謝の気持ちも育まれてきたと思います。

子どもたちの「やってみたいな」から広がる主体的な活動を今後も大切にしていきたいです。