2022年9月30日

テーマ：

植物・生物／水

年　齢：

０．１歳児

ねらい：

・物の色彩に興味や関心をもつ。
・保育士の見守りの中で水や実の感触を楽しむ。

園庭には様々な植物があり、季節ごとの変化を楽しむことができます。

砂場の前の柿の木は葉を茂らせ、実をつけます。

田んぼも目の前にあり、穂が伸びゆく様子、実る様子、頭を垂れる様子を子ども達は毎日見ています。

そんな中でも、お気に入りなのは、「すぐり」の木です。

「すぐり」の木は、半透明で美しい宝石のような実をつけます。

緑色の実が、熟すと赤い色に、そしてガーネットのような赤紫色になります。

あまりにもきれいなので、口に入れたくなってしまいますが‥‥‥。ご注意を！

とっても酸っぱい実です。

「ん！ん！」と指を指して、実がほしいことを一生懸命に伝える子ども達。

実を透明カップに入れて、手渡しします。

「わあ〜！」

嬉しくて両手でカップを握りしめながら、ピョンピョン跳ね回る子。

カップの外からじ〜〜っと見つめる子。

つまんでつぶし、気持ちが悪いのか手を洗いたくなる子。

パラパラとこぼして落としては、拾い、落としては、拾い‥‥‥・

子ども達の反応は、一人ひとり、それぞれ違います。

じっくりと楽しんだ後、そのカップに水を注いでいきます。

「お〜〜〜！！」

光に反射して、キラキラの水の中に美しいすぐりの実が！

本当に宝石のようです。

「きれ〜」と見つめ、時折ニコッと保育士の顔を見、また、すぐりに見入ります。

そして、手を入れてかき回してみたり、こぼしてみたり。

水や実の感触を味わいます。

更にジッパーバックに水と実を入れました。

不思議！さっきまで、掴んでも掴んでも手からこぼれていった水。

袋に入れると、つかむことができるようになります。

もみもみもみ‥‥‥

熟した実は、プチッと潰れていきます。

赤かった実も色が抜けてピンク色に。

水は薄っすらと赤い色に。

はじける実の感触や、不思議な色の変化を楽しみました。

そして、袋が破れたところから、ジャーっと出ることに気づいた子ども達。

夢中でジャージャーしていました。

「実」は「石」と違って、強い力を加えるとつぶれてしまうことに気づきます。

ただ、まだまだ手の力をうまく加減することの難しい0.1歳児。

「なんだろう？」とカップから取り出そうとしても、手の中で潰れてしまうことも。

「わあ！嫌だ！」とばかりに、手を保育士に差し出す子もいました。

一方で、潰れる感触を楽しむ子もいました。遊びから力加減や物には色々な感触があることを感じていたようです。

更に、たまたま落とした実を踏み、

「ん？」と足元を見ると、ぺしゃんこになったすぐり。

それを見て、手に持ったカップを傾け、ポタポタと落とした実を踏む姿もありました。

足元に散らばった実を見て「ん！」と、満足そうな表情を浮かべていました。

手で触ったり足で触ったり、袋の上から触ったり、

すぐりの感触を十分に味わった、すぐり遊びだったのでは、と思いました。

熟す度合いによって色が変わるすぐりの実。

また、つぶした感触も楽しめ、目も手も全部で味わえる自然物ではないかと思います。

まだ、言葉で気持ちを伝えることが難しい0.1歳児ですが、驚きや喜びなど伝えたい気持ちで

いっぱいの表情をして保育士を見つめていたのが印象的でした。

また、すぐりの実をつぶして、もんでいきながら、色水を作るという経験が保育士自身にとっても、とても楽しい経験になりました。

今後も戸外で体を動かしたり、身近な自然や生き物に触れたりすることで、保育士も自然に興味をもち、

子ども達と共感しながら一緒に自然を感じていきたいと思います。