2023年3月17日

テーマ：

植物・生物／人・地域／つくる

年　齢：

異年齢児

ねらい：

・季節の行事に触れながら、気付き、発見を楽しむ
・異年齢の活動の中で、興味、関心、関わりを広げていく

ある日、こんな手紙が年中、年少のお部屋にポイッと届けられました。

「鬼からの手紙だー！！」

あわてて新聞をもってきて丸めて、新聞豆を作り始めました。

年長さんのお部屋に行くと・・・

「鬼がいたぁ！！」

豆まきの始まりです。

楽しく元気いっぱい新聞豆をまく年中さん。

ちょっぴりこわい年少さん。

鬼たちも　「まいりました〜」

こんな活動が数日続きました。

未満にも行ってみると・・・

鬼の訪問に喜んで新聞豆をまく2歳児。

お面をかぶらせてもらって大満足。

こわいけど、担任の先生のそばにいたら安心。鬼はちょっと気になる0.1歳児。

以上児での節分の準備が始まりました。

年長さんが豆を入れる枡の作り方を教えてくれました。

年少さんには自分が折りながら「ここ手伝って・・・」と一緒に折り

年中さんには折っているところにそっと手助け、言葉で伝えてくれたり

年長さんの教え方もこの一年でとっても上手になりました。

紙芝居で鬼の苦手なものは、豆といわしとひいらぎと知り、近くのお宅にひいらぎをもらいに行きました。

おじいちゃんが

「よく来たね」　「鬼がひいらぎ嫌いだってよく知ってたね」

「ひいらぎは魔除けなんだよ」　と教えてくれました。

「本当にチクチクする」と触って確かめています。

節分当日　ひいらぎといわしの頭を各クラスのテラスに飾り

畑で育てたあやみどりの豆を煎って準備。

「鬼が来たー！！」

「おには　そと！！」

鬼に強く元気に向かっていきます。

初めての年少さんも、ひとりも泣かずに力強く豆まきをしていました。

未満ちゃんもテラスに出てきました。

未満ちゃんのところへ行った鬼に後ろから豆をまき、助ける年長さん。

みんなで元気に豆まきをし、鬼は逃げて行き、心の鬼も追い払いました。

そしたら・・・

福の神が来て

「よくがんばったね」「春が来たよ」

とひとりずつギュッとしてくれました。

「節分の時きっと鬼が来るから、小さいお友だちがこわくないように、自分たちが鬼になって節分の練習をさせてあげよう」

と年長さんの中で準備が始まりました。

内緒の準備は入り口のカーテンを閉めてこっそりと・・・

「鬼の招待状も書かないと」

（招待状？？と思いながら見守る担任）

「鬼の指って6本あったよね」 「去年、鬼の手紙6本あったじゃん」

「チクチクする葉っぱとしない葉っぱがあるよ」

「あの山の上の小さな家に鬼が住んでるんだよね」

「去年のきりんさんが言ったよ」

「鬼の足跡じゃない！？」　「先に爪がるよ」

節分の後、年中のクラスでは・・・

「きりんさんみたいなお面作りたい」と紙袋のお面作りが始まりました。

クラスでの豆まきも大盛りあがり。

おはなしあそびのももたろうでも

「まいりました〜」と　これきりんさんのまねです。

3月になり、卒園する年長さんへのありがとう会の準備。

「きりんさんには内緒だからカーテン閉めて！」

年長さんがやったことはやってみたい！！

そしてしっかり受け継がれているようです。

節分の活動では「小さい子をおどかしてみたい」ではなく、「こわくないよう自分たちが鬼になって練習させてあげよう」という優しい気持ち。

みんなでひいらぎや豆を準備してきたことで、当日、鬼が来てもひとりも泣かなかったのかなと思いました。

年長さんの活動に刺激を受け、年中児の活動が広がっていったり、去年の年長さんがしてくれたこと、教えてくれたことを覚ええていた年長さん。

異年齢の関わり、活動はずっとつながっているのだなと思いました。

一年間、異年齢の活動をしてきて「優しさ」が育っているなと感じました。

優しい年長さんとももうすぐお別れ